親の影響力は大きい
もちろん、子どもの非行やニート化には、親の養育方法や家庭環境が大きく影響します。親が子どもに対して愛情を持って接し、適切な躾と支援を行えば、子どもは健全に育つ傾向にあります。一方で、親の放任や虐待、過干渉などがあると、子どもの問題行動につながりやすいのです。
ただ、友達や学校、地域の文化の影響も非常に大きいです。いくら親が愛情をもって接し、適切な躾を意識していたとしても、幾分の影響は受けることはあります。また、反抗期と言われる時期は、生理的な意味で脳の構造も変化しますし、体のホルモンバランスも変化し、個人差はあるにしても大人の更年期障害のように不調を起こすのも無理がない面があります。
親の養育スタイルが重要
子どもの非行やニート化には、親の養育スタイルが大きく関係しています。
温かい愛情と適切な躾
子供には、愛情を持って接し、適切な躾を行うことが重要です。しかし、一方で過干渉や過保護な養育は、子どもの自立心を阻害する可能性があります。それには適切な愛着の視点が大切です。ものすごくわかりやすく書かれた本はこちらです。
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コミュニケーションの重要性
親子間のコミュニケーションが希薄だと、子どもの悩みや問題に気づきにくくなります。定期的な対話を通じて、子どもの心情を理解し、適切なアドバイスができるようにすることが大切です。
モデルとしての役割
親自身が健全な生活習慣を持ち、社会的責任を果たしていれば、子どももそれを学び、模倣する傾向にあります。一方で、親の非行や依存症などがあると、子供の問題行動につながりやすくなります。
家庭環境の影響
家庭内の経済的な問題や、両親の離婚、DV、アルコール依存症など、家庭環境の問題も子どもの非行やニート化に影響を及ぼします。そのような環境下では、子どもの心の安定が損なわれ、問題行動につながりやすいのです。
支援の必要性
子供の非行やニート化には、親の責任が大きいと言えます。とは言え、親御さんなりにも子育てを頑張っている、けれど上手くいかないという面もあると思います。親御さん自身が問題を抱えている場合もあります。そのような場合には、専門家による支援が必要不可欠です。 カウンセリングや家族療法、経済的支援など、状況に応じた適切な支援を受けることで、親子関係の改善や子供の立ち直りが期待できるのです。相談できるところには相談し、自分の家庭では、或いはこれまでの環境では難しいと思ったときは養育を他者に託すということも大切です。
慌てないこと
非行やニートといった子どもの対応では、慌てないことが重要です。子どもの非行行動は複雑な背景を持っており、一概に判断することはできません。まずは、子どもの置かれた環境や心情を理解し、寄り添うことが大切です。
子どもの非行は、家庭環境の影響だけではありません。友人関係の悪化、学校生活への適応困難など、様々な要因が絡み合っている可能性があります。そのため、子どもの行動を一方的に疑ったり非難したりするのではなく、子どもの立場に立つことが重要です。
また、非行の子どもに対しては、処罰的な対応ではなく、教育的、福祉的な視点から指導することが重要です。教育的視点とは躾面、福祉的視点とは発達面(知的障害や発達障害など)のことです。特に発達面に課題を持っているのに「何故できないの!」と教育的な対応をしようとすると無理が生じますので十分に気を付けてください。子どもの健全な成長を促すためには、愛情と子どもの特性への理解を持って接し、問題行動の背景にある要因に働きかけていく必要があります。
慌てずに、子どもの状況を丁寧に把握し、関係機関と連携しながら、子どもの更生と社会復帰を支援していくことが重要です。非行の問題は簡単に解決できるものではありませんが、子どもの立場に立って寄り添い、粘り強く時間をかけて支援していくことで、子どもの健全な成長を促すことができるのです。
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