子どもの性非行に病的なものはほどんどない
他の非行と同じく、養育環境がもたらした被害である。
男の子の性非行(わいせつ行為)
加害の背景に被害がある
ある男の子の話をすると、その子の家では家族が裸で過ごすのが当たり前、父や母、同居の叔母までもが子どもの目の前で性的なやり取りをする状況があった。
部屋も散らかっており、そこにはアダルトグッズなどもあり、同居の叔父は常にアダルト関連の動画を見ていた。
つまり、生まれた時から性の刺激にされされてきたのだ。
性の目覚める小学高学年のころには、見るもの聞く音すべてに、家族の、アダルト関連の性的行為が重なったという。
やがて、女児に対して性的な興味が高まった。
学校の授業についていけず、また友達もできず、いじめられることにもなった頃から、女児に触れたい、言うことを聞かせたい、いわゆるわいせつ行為を働きたいといった感情がわいてきた。
すべてがアダルトビデオの世界と結びついた
男の子の話では、乳児期から家族の性交渉を目の当たりにし、同居していた叔父が観ていたアダルト関連の動画の影響で
何かを見れば、あのワイセツなシーン
何かが聞こえると、あのワイセツな声や音
と、頭の中は常にアダルトビデオの世界だったという。
思春期が近づき、性の衝動が高まる。学校の人影のない帰り道で、少年は女児に声をかけた。
「さわっていい?」
嫌と言えば何をされるか怖くて、少女は何も言わなかった。男の子は否定されなかったとして、服の中に手を入れ・・・被害女児は複数となりある日、わいせつ行為で警察に補導されることとなった。
加害の根には被害がある
乳児期から性にさらされる環境下にあったことは、ある意味、性被害であった。 しかし、行った行為は、まぎれもない性加害行為。
いったい誰が悪いのか。
間違いなく叔父を始めとする養育者であるが、克服するのは男の子本人なのである。男の子は加害者であるが、養育環境による被害者でもある、という理解が必要なのだ。
子どもの性非行に病的なものはほどんどない
他の非行と同じく、養育環境がもたらした被害である。
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