親を許してしまう子どもたち

虐待を否定する母 非行

嫌いなのに親を許してしまう子どもたち

母の顔色ばかりう少女ユキは、いわゆるヤングケアラーである。母との生活は本当に苦しかったと振り返る。母の仕事はラウンジの従業員なので、朝帰ってから夕方出勤するまでは寝ている。だから、毎日、母の代わりに家事をしていた。幼い頃は寂しかったが、いつしかそれにも慣れて、母がいない方が楽と感じるようにもなっていた。母は気まぐれな人だった。ユキに優しい時もあったが、多くは冷たかった。

反抗がはじまる

中学に入った頃から、母に対して反抗してするようになった。我慢の限界だった。喧嘩にもなり、つかみ合いになることもあった。「生まんかったらよかった」と言われることもあった。自分のことしか考えてなくて、ユキのことなど考えてくれなかった。つらかったし、悲しかった。母の彼から暴力を受けるときがあった。怖かった。近隣から警察への通告で、児童相談所の人の訪問があったが、母は知らないと言った。ショックだった。母はユキが叩かれたり、蹴られたりしていた時、そばでスマホを触っていたからだ。ユキは思った。母にとって、自分は都合のいい存在なのかと。

嫌いなのに求めてしまう母という存在

しかし、ユキは思う。母にきちんと自分の気持ちをわかってほしいと。母とはもっと話すべきだったのではないかと。結局はそんな母を許してしまうと。これからも。嫌いなのに、求めてしまう自分がいる。もしかしたら母が上手くいきれないのは自分のせいなのかとも。

親を客観視できてこそ、本当の自立が始まる

実は虐待も含め、親に苦しめられる子どもの多くに、親を許してしまうユキのような思考(参考:反抗しても子どもは親に気を遣っている)がみられる。子どもにとって、親というのはそれほどまでに、大きくもあり、支配的な存在なのである。子どもの時期の世界が狭さもあるし、経済的に親から自立などできないということもある。しかし、親に認められたい思いは、大人になってもずっと引きずれられることは稀でなはい。多くの人が、深刻さは別としても心当たりはあるはずである。

なので、ユキの場合、親を客観視するということが、つまり、苦しめられた親と分かりあえるようになりたいと大きく期待するのではなく、母を、一人の女性として受け入れ、母は母、自分は自分、という生き方に目を向けることが大切なのである。そこから本当の、ユキの自立が始まるのである。

おすすめの勧めの本

やさしくわかる!愛着障害

事例でわかる愛着障害

愛着障害は何歳からでも必ず修復できる

愛着障害・愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?           アセスメントと具体的支援のポイント51

発達障害? グレーゾーン? こどもへの接し方に悩んだら読む本

ケーキの切れない非行少年たち

母という病

父という病

愛着障害の克服

「子供を子どもを殺してください」という親たち

コメント

タイトルとURLをコピーしました