人との関係を築けない
愛着障害の視点を持つ
愛着障害の視点を持てば、子どもとの関係が変わります。
私は長年、問題行動のある子どもたちと生活をともにしています。
その経験で得られたノウハウをお伝えします。
まず、これまでの成育歴をチェック
①本来出来るはずだった甘えたりのびのび過ごしたりすることが、十分にできなかった
②不安や悲しみなどネガティブな感情から守られてこなかった
③あるいは、むしろ緊張感や恐怖感、不安などの中で生活し生き延びてきた
④兄弟間で極端に比較をされたり、褒められた経験が極端に少なかった
次に、愛着障害の特徴をチェック
①自己肯定感・自己評価が低い
②他者と親密な関係を築きにくい
③人間関係で相手を拒絶あるいはべったりと依存してしまう
④ひどく人の顔色を窺ってしまう
⑤感情のコントロールが苦手
愛着障害はいつからでも克服できる
さて、これら愛着障害はいつからでも克服できます。
「愛着障害かもしれない」と気づいたときから克服への道は始まっています。
【愛着障害】自分でできる克服法
①自分が自分の安全基地になる
子どものころに親にしてほしかったことを自分にしてあげるという方法があります。
例えば、
「子どものころ、親に辛い時に優しい言葉をかけてもらったことがなかった。自己否定されることを言われて悲しかった」とします。
その場合、どんな言葉を親に言ってほしかったのかを思い浮かべ、その言葉を今の自分に言ってあげるのです。子どもの頃の自分に、自分が親となって優しく語るような感じです。
➁自分が誰かの安全基地になる
自分が誰かの安全基地になることで、愛着障害から回復することもあります。
誰かは、人である必要はないのです。
例えば、ペット
人に対しては何か見返りを求めるという人も、相手がペットであれば見返りを求めず愛情を注ぐことができる人も多いと思います。
また、人相手では相手を深読みしてしまって辛いという人で、ペットなら安心できる人も多いと思います。
ペットを大切に育て、絆を結ぶことでつながり感が生まれ、安心・自己肯定感も高まり、愛着障害の克服につながっていきます。
ボランティアなど、基本他人で利害関係のない少し距離のある人の役に立つ体験もよいでしょう。
【愛着障害】誰かの力を借りる克服法
安全基地になってくれる人を見つける
信じることができる人と出会ったり、結婚することで愛着障害を克服することがあります。
子どものころに得られなかった愛情や信頼関係を、そうした相手と作り直すことができるのです。
ただ、誰でも信頼していいわけではなく、信頼関係が築けているかを実感する必要があります。
例えば、
・損得なしで関わってくれる
・精神的に安定していて、気分にむらがない
・精神的にも経済的にも自立している
・自分が自然体でいられる
といったことを確かめることが大切です。
一緒に考え寄り添ってくれる存在
自分一人で乗り越えることは可能ですが、カウンセラーなどに相談することも有効です。
専門家と話すことによって自分自身のことや気持ちを整理しやすくなります。
「誰かが寄り添ってくれている」と感じることでことで、安心を得ることもできます。
自分に合った方法を見つけていきましょう。
養育に関するおすすめ本
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